不動産投資の初めの一歩として「ワンルームマンション投資」を選択する方は多いのではないでしょうか?
ワンルームマンション投資は、マンションの一室から始められるため、潤沢な自己資金を用意する必要がありません。また、賃貸需要も高く、安定した家賃収入を得られやすい投資方法と言えます。
しかし、ワンルームマンション投資をしたからと言って、必ず成功するとも限りません。ポイントやリスクを押さえておかなければ、失敗してしまうことも。この記事では、ワンルームマンション投資を成功させる方法や注意点を、詳しく解説します。
成功事例・失敗事例をもとに解説しますので、実際にイメージしながら具体的に学ぶことができます。ぜひ最後までお読みください。
ワンルームマンション投資とは
ワンルームマンション投資とは、不動産投資のなかでも「マンションの一室」を対象として行う投資を指します。マンションの複数ある部屋のうちの一部屋だけに投資するため、一棟投資よりも遥かに少ない資金で始められます。
今までは「投資」というと、潤沢な資金を持つ富裕層が行うものというイメージがありました。ワンルームマンションはその概念を覆し、サラリーマンや若者でも手軽に投資できる仕組みとなっています。
ただし、一室のみの運用なので、一棟マンション投資ほど高額な収入の見込みはありません。しかし、少ない資金で始められ、家賃収入として安定した収入を得られやすく、”ミドルリスク・ミドルリターン”の投資方法として、近年人気を集めています。
ワンルームマンション投資のメリットやデメリットは、以下のとおり。
メリット | デメリット |
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ワンルームマンション投資を成功させる7つの方法
ワンルームマンション投資は、少ない資金で始められる手軽さと、投資のリスクを最小限に抑えられる点が最大の魅力。しかし、「投資」である以上、必ず成功するとも限りません。
誰もが必ず成功できるわけではありませんが、成功に導く方法を知っていると知らないとでは、成功率が大きく異なるのもたしか。
ワンルームマンション投資を成功させる方法は、次の7つです。
- 信頼できる不動産会社と担当者を選ぶ
- 中古物件か新築物件かは目的によって慎重に選ぶ
- 賃貸需要の高いエリア・物件を選ぶ
- 念入りなシミュレーションを行う
- 適切なタイミングを選ぶ
- 念入りな情報収集をする
- 不動産投資に関する勉強をする
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1、信頼できる不動産会社と担当者を選ぶ
ワンルームマンション投資で成功するためには、信頼できる不動産会社と担当者を選ぶことが大事です。
不動産投資は、専門知識と経験がものを言う業界。
ワンルームマンション投資の初心者が、自分の力だけでなんとかしようとしても、そう簡単にうまくいくものでもありません。どういった不動産が需要が高く収益化を図りやすいのか、不動産運用のプロである不動産会社の知識や経験は大きな力になります。
ただし、「不動産を売れさえすればいい」と、会社の利益しか考えていない不動産会社があるのも事実です。電話対応や相談時の担当者の雰囲気などで、その会社の営業方針などが垣間見えることも。少しでも違和感や嫌悪感を感じたら、その会社との取引はやめておいた方が無難です。
また、一言で「不動産会社」といっても、取扱物件の特徴やサービス内容、サポート体制はさまざま。新築マンションのみを取り扱う会社もあれば、中古物件に特化している会社もあります。
さらには、不動産会社により、賃貸管理業務も担っているかどうかも異なります。
とくにワンルームマンション投資初心者の場合、家賃回収といった管理業務だけでなく、入居者募集のための戦略や需要を高めるための施策など、わからないことも多いはず。
不動産会社のなかには、「物件を売ったら終わり」というような薄情な会社も少なくありません。購入後もサポートしてもらえるのか、どういった体制が整っているのか、確認するようにしてくださいね。
投資家のことを第一に考え、投資家が成功するためになにをすべきなのか、丁寧かつ詳細に対応してくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。不動産を購入したら終わりではなく、購入後の運用や管理・売却まで長期的にお付き合いできる会社であれば、信用も安心もできますね。
なお、以下のような特徴がある会社であれば、信頼できる不動産会社である可能性が高いでしょう。
- ファイナンシャルプランナーなどの専門スタッフがライフプランの相談に乗ってくれる
- 購入時だけでなく購入後の運用・管理もワンストップでサポートしてくれる
- すぐに購入をするよう契約を急かさない
- 不動産投資のメリットだけでなくデメリットや注意点もしっかり教えてくれる
- 不動産のある地域の特性をしっかり把握している
- 不動産の提案、管理、リノベーションなど、各部門をグループ会社で専門で行っている(グループ内ですべてサポート可能)
不動産会社を選ぶ際には、上記を参考にしてみてくださいね。
2、中古物件か新築物件かは目的によって慎重に選ぶ
中古物件か新築物件かの選択は、投資の目的を明確にして慎重に行う必要があります。
というのも、中古ワンルームマンションと新築ワンルームマンションでは、購入金額や運用方法だけでなく、対象入居者の特徴やニーズが全く異なるため。
中古物件は、購入価格を安く抑えられるほか、価格の下落スピードが緩やかという特徴があります。新築マンションほど、初期の入居者は決まりませんが、長期的には入居見込みが高い物件と言えるでしょう。
対する新築物件は、始めこそ「新築プレミアム」の恩恵で入居者を獲得しやすいですが、入居者した瞬間から市場価値は落ちてしまいます。値下がりスピードも早いため、スタートダッシュを決めたい方向けと言えますね。
長期的に資産運用していくなかで、どの時期に収入のピークを置きたいのか、慎重に選べると良いでしょう。
3、賃貸需要の高いエリア・物件を選ぶ
ワンルームマンション投資で成功するためには、賃貸需要の見極めが非常に重要です。
せっかくマンションを購入しても、需要がなければ入居者が決まらず、購入時のローン返済に追われるなんてことも。
東京であれば23区内、その他のエリアでも駅や商業施設から近い物件は、需要が高くなりやすいです。また、少子化や晩婚化、高齢化、単身世帯やDRINKSが増加している社会情勢を考えると、ワンルームマンションの需要はますます高まることが予測できます。
購入価格が安いからと、立地や仕様条件が悪いマンションを選んでしまっては、入居者が入らずに収入が得られない可能性も。ただし、立地条件はよく、ただ築年数だけが経っている場合には、リノベーションすることで入居者が見込める可能性も十分にあります。
入居者が求めることをしっかりと調査した上で、需要の高い物件を購入できるといいですね。
4、念入りなシミュレーションを行う
不動産投資を行う際に、念入りなシミュレーションは必須です。シミュレーションは、キャッシュフローをプラスにするために、必要不可欠。シミュレーションを行わない不動産投資は、かなりの高確率で失敗に終わると言っても過言ではありません。
と言うのも、シミュレーションでキャッシュフローがプラスにならなければ、自己資金の投入が必要になり、不動産投資をする意味がないから。
単にローンの返済額と家賃収入を比較するだけでなく、賃料の値下がりや管理費の値上がり、リフォーム・修繕費用、空室期間とその対策など、最低でも15年スパンでシミュレーションするようにしましょう。
賃料の予測は、同一エリアの築古物件の応募家賃を参考にすれば、シミュレーションの精度も高まりますよ。販売会社の試算をそのまま鵜呑みにせず、自分でも確認するようにしてくださいね。
甘すぎる予測は、思わぬトラブルに繋がります。悩んだ場合には、少々厳しめなシミュレーションを行っておけると良いですね。
5、適切なタイミングを選ぶ
不動産投資をする場合、マンションを購入するタイミングも重要になります。
と言うのも、売買相場は上がり下がりを繰り返しているから。同じ立地・同じ仕様のマンションでも、購入する時期が違えば数百万円〜数千万円の差が生じることも珍しくありません。
ワンルームマンション投資を成功に導くためには、いかに安く購入し、いかに高い家賃で貸し続けられるかが重要になります。初期投資費用が少なければ、それだけローン返済も短くなり、家賃収入を純粋な利益として得るのも早くなるでしょう。
相場の上下は、株価や金利、金融政策などの指標と連動しているので、チェックしておけると良いですね。とは言え、賢い投資家はみな安い時期を狙っています。必然的に競争率は高くなるため、事前に購入するマンションの目星をつけておけると良いですね。
6、念入りな情報収集をする
念入りな情報収集をすることでも、ワンルームマンション投資は成功しやすくなります。
日本には幾多もの収益用マンションがあり、自分にぴったりのワンルームマンションに出会える確率は1/100と言われるほど。一つの物件を購入するまでに、少なくとも100個の物件情報を調べ、比較・検討するべきです。
また、相場観や賃貸需要の有無を調査するためには、現地に出向いたり、複数の不動産会社と比較したりする必要も。物件サイトに登録するなど、新着物件情報を確認するのもいいかもしれませんね。
また、不動産会社によっては、適正価格よりも高額な条件で取引を勧めてくる場合もあります。不動産会社からの提案や助言を鵜呑みにせず、自分でも相場を調べたり、ほかの物件・ほかの不動産会社と比較したりするなど、念入りな情報収集を行いましょう。
ただし、適正価格の物件や良条件の物件は、情報開示されてから成約になるまでの速度が早いのもたしか。念入りな情報収集は必要ですが、のんびりしていると良い物件を逃しかねませんので、注意も必要です。
7、不動産投資に関する勉強をする
不動産投資に関する勉強をすれば、無知ゆえの失敗を避けることができます。
不動産投資業界は、依然情報リテラシーが低い方も多く、また、専門的な知識が求められることも珍しくありません。正しい知識や専門的な知見を知らなければ、思わぬ失敗につながる可能性も。反対に、きちんと知識として知っていれば、回避できるリスクも多いです。
不動産会社が開催しているセミナーや不動産投資家のコミュニティに参加したり、書籍を読んだりして、常に知識をブラッシュアップしていけると良いでしょう。また、自分1人ではなにが正しいのかわからないという方は、個別相談会に参加するのも良いかもしれませんね。
ワンルームマンション投資の4つの注意点
ワンルームマンションを成功に導くポイントがあるように、ワンルームマンション投資を失敗に導きかねない注意点も存在します。
以下で紹介する注意点を知らずにワンルームマンション投資をしてしまっては、大きな損失を受けてしまう可能性もあります。しっかりと把握しておきましょう。
ワンルームマンション投資の注意点は、以下の4つです。
- 不動産会社へサブリースへの過信
- 物件の衝動買い
- 節税効果への過剰な期待
- 甘いシミュレーション
ひとつずつ解説していきます。
1、不動産会社やサブリースを頼りすぎる
不動産会社のアドバイスやサブリース契約を頼りすぎると、ワンルームマンション投資で失敗する可能性が高まります。
不動産のことは、不動産のプロに任せるのが1番の近道なのは間違いありません。
ただ、不動産会社と投資家は利益相反です。高く物件を売れば売るほど不動産会社は儲かり、その逆もまた然りです。
また、マンション一室を管理会社が借り上げて行う「サブリース」も要注意。
サブリース契約があれば家賃収入がずっと続く、と考えている人もいますが、実際は入居者がつくからサブリース契約で不動産会社が儲かる、という話です。サブリース契約でずっと入居者がつかなければ、一方的に家賃を下げられるリスクもありますし、契約を解除される可能性も全然あります。
不動産会社が身銭を切って投資家を守り続けるメリットはありません。
2、物件の衝動買い
物件の衝動買いも、ワンルームマンション投資の失敗の原因のひとつ。
不動産投資の勉強会やセミナーに行くと、優良物件としていくつか物件を紹介されることもあります。それは主催会社の営業戦略であり、適正賃料にプラスアルファの料金が上乗せされていることがほとんど。
「いつもなら市場に出ないような物件」「今購入を決めないとすぐに売れてしまう」
「ここで決めてくれれば売り引きができます」うまい話ほど怖いものはありません。
初見で物件を決めるのではなく、複数社・複数物件で比較検討してから購入するようにしましょう。
特に、今!と決断を迫ってくるのは不動産営業あるあるです。良い物件はゴリゴリの営業しなくても売れるわけなので、言わずもがなですね。
3、節税効果への過剰な期待
ワンルームマンション投資で、節税効果への過剰な期待をするのはあまりおすすめしません。とはいえ、不動産投資を調べたことがある方なら「不動産投資は節税効果がある」という話を、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
確かに、不動産投資で得た「不動産所得」は、給与所得と合算して処理されます。物件を購入した年や、大きな修繕があった年などは、不動産所得が赤字になることがあるかもしれません。その際には、ほかの給与所得などの所得と損益通算することで総合所得が下がり、納める税金も安くなります。
しかし、不動産投資で節税効果があるのは、あくまで不動産所得が赤字だった場合に限ります。投資規模が小さいワンルームマンション投資では、赤字が出ることはほとんどないため、期待していたほどの節税効果が得られないことも珍しくありません。
「節税効果があるからワンルームマンション投資をする」など、安易な理由で不動産投資を始めると、ローンの返済や修繕費の確保などに追われる日々にもなりかねません。不動産投資をするかどうかは、慎重に決めるようにしましょうね。
4、シミュレーション期間が短い
ワンルームマンション投資で失敗した方の多くは営業用の「シミュレーション」しかみていないのが原因。
シミュレーションは不動産会社が勝手に作れてしまうので、正直あまり参考になりません。家賃が下がらないシミュレーションもありますし、空室がないシミュレーションもあります。こういったシミュレーションは論外ですね。
シミュレーションは最悪のケースを想定して、自分で作成するようにしましょう。
ワンルームマンション投資の成功事例と失敗事例からわかる成功者の共通点
ワンルームマンション投資には、成功する人と失敗する人がいます。
成功事例と失敗事例を見ながら、成功者の共通点を確認していきましょう。
成功事例 |
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失敗事例 |
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成功者の共通点は3つ
上記の成功事例と失敗事例から、以下の3つが「成功者の共通点」として挙げられます。
- 思考軸が長期的である
- 常に学び続けている
- 自己資金にゆとりがある
ひとつずつ見ていきましょう。
1、思考軸が長期的である
ワンルームマンション投資の成功者の多くは、長期的なスパンで物事を考えています。
「新築は入居者が入りやすい」「中古よりも賃料の相場が高い」など、直近の収入を考えた場合、新築ワンルームマンションほど良いものはありません。しかし、新築プレミアムの恩恵を受けているだけであり、長期的に見ると新築も中古も大した差はありません。
数年単位ではなく数十年単位で考えているからこそ、収支シミュレーションも正確になり、成功につながっていくのでしょう。
2、常に学び続けている
ワンルームマンション投資の成功者は、みな常に学び続けていると言っても過言ではありません。
ワンルームマンション投資に限った話ではありませんが、成功率を上げるためには、対象を知ることが重要です。どういった物件が需要が高いのか、社会情勢や地域特性、マンションの仕様など、多くの知識が必要になります。
そして、1つの物件1つの不動産会社の情報だけでなく、複数の不動産会社から得られる情報や書籍の内容など、多角的にインプットすることも大事。知識が多ければ、不動産会社のいうことだけを鵜呑みにすることもなくなるため、失敗を防げますよ。
3、イレギュラーに耐えられる資金力
いくらワンルームマンション投資が少ない資金でできるとは言え、自己資金にゆとりがあれば、それだけ余裕をもった経営ができます。
賃料の値下げや入居者の退去、修繕など状況の変化に応じて、迅速に対応することもできるでしょう。さらには、入居者ニーズに合わせてリフォームやリノベーションをすることで、資産価値を高めることも可能。
万が一賃貸需要が低かったとしても、自己資金にゆとりがあれば対策を生み出すこともできるのです。
ワンルームマンション投資のまとめ
ワンルームマンション投資は、マンションの一室を購入し貸し出すことで家賃収入を得る投資方法のこと。一棟マンション投資とは異なり、少ない自己資金で始められることもあり、サラリーマンを中心に人気を集めています。
しかし、いくらリスクが少ないとは言え「投資」であることに違いありません。リスクを把握していなければ、投資を失敗することも。ワンルームマンション投資で成功するためには、長期的な収支シミュレーションや念入りな情報収集・比較検討をすることはもちろん、信頼できる不動産会社をきちんと見極めて選定することをおすすめします。