長期投資は投資信託がおすすめ?メリット・デメリット、失敗しないポイントを解説

「将来の収入が不安」「うまく資産を増やして生活を豊かにしたい」

このような考えを持ち、資産運用の方法として「投資」を選択する人が増えてきています。

一言で「投資」と言っても、秒単位・分単位で変動する短期投資もあれば、年単位で取引を行う長期投資もあります。長期投資の方がレートに一喜一憂することなく気楽に投資を行えるため、初心者向けと言えるかもしれません。

長期投資には、株式投資や債券投資、不動産投資などさまざまな投資先がありますが、プロに運用を一任できる「投資信託」がおすすめです。この記事では、長期投資で投資信託がおすすめの理由含め、投資信託のメリット・デメリットを解説していきます。

失敗しないポイントも紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

長期投資とは?

長期投資とは、1日単位で取引するような短期投資とは異なり、5年以上の長い期間をかけて資産運用をする投資方法を指します。

長期投資であれば、短期投資のように、1秒1分ごとにレートの確認をするなど目先の値動きに捉われることがありません。自分が投資した商品の成長を長期的に予測し、値上がりの発生により利益を得る、という投資方法となります。

なお、一言で「長期投資」といっても、その投資商品はさまざま。

「長期投資」の代表例は、以下のとおり。

種類 内容
株式投資 会社が発行する株式を購入し、その購入額に応じて該当会社の所有権の一部を得ること。購入した株式の売買益のほか、配当金や株主優待を受けられる。
投資信託 不特定多数の投資家から集めた資金を一まとめにし、投資の専門家が株式や債券などで資産運用すること。運用によって生じた損益は、すべての投資家に分配される。
国債 国が発行している債券のこと。購入者は利息を半年毎に受け取れるほか、満期になれば投資額の元金が返ってくる。
不動産投資 アパートやマンションなどの不動産を購入し、賃貸物件として貸し出すことで家賃収入を得る方法。また、不動産の価値が購入時よりも上がった際には、売却して収益を得ることも可能。

参考:

https://yeah-sta.com/column/toushi/toft_1910e/

https://hedgefund-direct.co.jp/column/hedgefund/long-term/

長期投資なら投資信託がおすすめ

長期投資にはさまざまな商品がありますが、商品毎にメリット・デメリットが異なります。

株式投資は、購入した株式が値上がりした際の売却益(キャピタルゲイン)を得られるだけでなく、株式を保有している会社が得た利益の一部を配当金(インカムゲイン)として受け取ることができます。さらに、株式を購入した会社の商品やサービスを受けられる株主優待にも、期待可能。しかし、一定以上の資金が必要であったり、大きな損失が生まれたりするリスクがあります。

国債は、元金割れリスクが低いメリットがありますが、投資商品としてはかなり金利が低いローリターン商品でもあります。

そこで、本記事で長期投資としておすすめしたいのが「投資信託」です。

なぜ投資信託がおすすめなのか、また、そもそも投資信託とはどういった投資方法なのか、以下で詳しく解説していきましょう。

投資信託とは

投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金をひとつの高額資金としてまとめ、投資の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などで資産運用する投資方法です。

運用成果として生じた損益は、それぞれの投資額に応じて各投資家に帰属する仕組みとなります。

高額すぎて個人ではできないような投資が可能になったり、投資の知識がない人でもプロ並の運用ができたりするのは、最大のメリットと言えるでしょう。

投資信託の5つのメリット

投資信託では、投資家から個別に集めた資金をまとめて大きな額にし、それを資金源にファンドマネージャーが投資を行います。ほかの長期投資とは異なる特徴を持つため、得られるメリットにも大きな違いがあります。

そんな投資信託のメリットは、以下の5つ。

  1. 専門家に運用を任せられる
  2. 運用コストを抑えられる
  3. リスクを分散(分散投資)できる
  4. 透明性が高い
  5. 投資対象の種類が豊富

ひとつずつ詳しくみていきましょう。

参考:

https://www.tohshin.co.jp/blog/article0031.html

https://www.saison-am.co.jp/learn/basic/02/

1、専門家に運用を任せられる

投資信託の最大のメリットは、なんといっても専門家に運用を任せられるということ。

株式投資の場合、どの銘柄にいくら投資するのか、投資家がすべて判断する必要があります。初心者はもちろん、投資経験のある人でも、どうするのか悩んでしまうことも少なくありません。

投資の世界は奥深いものであり、すべて個人で判断するのは非常に難しく、また知識を習得するのにもかなりの時間を要します。

投資信託は、投資のプロであるファンドマネージャーが、運用方針に従いながら、どの銘柄にどの程度の金額を投資するのかを含め、投資判断から取引までを投資家に代わって運用してくれます。

初心者で投資の知識がなくても、安心して投資できる点はメリットと言えるでしょう。

また、ファンドマネージャーは豊富な知識と経験を持つため、個人投資家では買えない株式や、手を出しにくい債券にも投資可能であるため、資産運用の幅を広げることも可能です。

2、運用コストを抑えられる

投資信託は、少額から運用できるため、運用コストを抑えられます。

株式投資や債券投資の場合、ある程度まとまった資金を用意しなければなりません。とくに、株式は通常100株ごとの購入となるため、1株1,000円であったとしても最低10万円の資金が必要になります。

一方で、投資信託は1万口あたりの金額で算出されますが、1万口あたり1万円前後のものがほとんど。金融機関によっては、最低購入金額を100円に設定しているところもあるため、資金を捻出しやすく、運用コストを抑えた投資が可能です。

3、リスクを分散(分散投資)できる

投資信託は、ひとつの商品で複数の銘柄に投資できるため、リスクを分散できます。

株式投資は、最低購入株数が多いこともあり、手元に潤沢な資金がない限り複数の銘柄へ投資するのは難しいです。購入した銘柄で利益を得られていれば問題ありませんが、市場の動き次第では、大きな損失を被る可能性も否定できません。

そのため、株式や債券など、値動きの異なる投資商品に分散させることで、リスクを回避する「分散投資」が望ましいと言われています。

投資信託は、1つの銘柄に投資するのではなく、数百社の株式や債券に分散して投資を行うため、リスクを回避し得るというメリットも。

また、株式だけでなく、債券や不動産など投資先が多岐にわたる点も特徴のひとつ。さらに、国内商品だけでなく、海外商品を対象に運用することもあるので、リスクヘッジはしやすいと言えますね。

4、透明性が高い

投資信託は、監査法人などの行政から監督・審査を受けています。そのため、投資の透明性が高く、安心・安全な投資と言えます。

また、投資信託の価値を示す基準価格が公開されるのは、毎日1回だけ。公表された基準価格にしたがって売買を行えるので、信頼性も高いと言えるでしょう。

5、投資対象の種類が豊富

投資対象が豊富なのも投資信託のメリットであり、以下のような種類があります。

 

投資対象資産 投資対象地域
国内 海外
株式 日本の株式に投資 海外の株式に投資
債券 日本の債券に投資 海外の債券に投資
不動産投資信託 日本の不動産投資信託に投資 海外の不動産投資信託に投資
その他 上記以外の商品に投資

 

「株式だけ」「債券だけ」のように1つの資産に絞った投資信託や、株式・債券・不動産を組み合わせて行う「バランス型」の投資信託など、さまざまな選択肢があります。

さらに、国内商品だけでなく海外商品を組み合わせることも可能なので、より自分に合った投資ができるかもしれませんね。

投資信託の2つのデメリット

少額から投資を始められたり、プロに運用を任せられたりと、メリットが多い投資信託ですが、デメリットがないわけではありません。

デメリットを知らないと、思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあるため、しっかりと把握しておけるといいでしょう。

投資信託のデメリットは、以下の2つです。

  1. 手数料がかかる
  2. 元本保証がない

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1、手数料がかかる

投資信託の取引には、「手数料」という一定のコストが発生します。

投資信託で発生する手数料は複数あり、なおかつ発生タイミングが異なります。購入時や売却時だけでなく、運用中に発生するものもあるため、知らぬ間に手数料を負担してしまっているなんてことも。

そうならないためにも、投資信託で発生する手数料を把握しておけると良いですね。

なお、投資信託で発生する手数料は、以下のとおり。

発生時期 手数料 内容 支払い方法
購入時 購入手数料 投資信託を購入する際に、信託会社に支払う費用。

(申込額の数%)

直接
運用中 信託報酬 投資信託の運用・管理の手数料として、信託会社に支払う費用。 信託財産から徴収
監査報酬 投資信託に関わる監査法人に支払う費用。 信託財産から徴収
売買委託手数料 投資信託で運用する株式等の売買で発生する費用。 信託財産から徴収
売却時 信託財産留保額 投資信託を売却する際に、信託財産として徴収される費用。 直接

(参考:投資信託のコスト|投資信託協会

運用をプロに任せられる分、運用管理費(信託報酬)などの費用の支払いは避けられません。株式投資よりも運用コストがかかる点は、デメリットかもしれませんね。

2、元本保証がない

投資信託には、元本保証がありません。

投資信託は、運用成果が出ればその分の分配金や償還金を受け取ることができますが、運用がうまくいかない場合には、元本を下回ってしまうこともあります。

預貯金や国債などとは異なり、投資信託は元本が保証されていない投資方法であるため、場合によっては損をする可能性があるのです。

あくまでも「投資」であり、必ず収益があるという約束はできません。プロに任せられるからと安心しきらず、損をするリスクがあることはしっかり理解しておきましょう。

投資信託で失敗しないための3つのポイント

投資信託はあくまで「投資」であり、失敗するリスクがゼロではありません。

ここでは、投資信託で失敗しないために知っておきたい3つのポイントを紹介します。

  1. 目標を決めてから運用する
  2. 分散投資をする
  3. 余剰資金で行う

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1、目標を決めてから運用する

投資信託を行う際には、投資の目的と目標を決めて運用することが大事です。

投資の目的や目標がはっきりしていないと、投資スタイルに統一性がなくなり、方向性が定めにくくなります。判断基準が定まらないため、その時その時の感情や状況で方向性が変わってしまうなど、大きなリスクになりかねません。

「いつまでにいくら貯める」などの運用目的が明確であれば、投資に必要な期間や資金も明確になるでしょう。目的がはっきりしていれば、投資銘柄を決める際の判断材料になるだけでなく、計画的に投資を行うことができますよ。

2、分散投資をする

投資信託を行う際には、分散投資でリスクを分散させることも重要。

と言うのも、1つの投資先にすべての資金を投じてしまうと、良くも悪くもハイリスクハイリターンになるため。

選択した銘柄の運用が上手くいっていれば大きな利益を見込めるかもしれませんが、そうでない場合には大きな損失が生じてしまうことも。

複数の銘柄に分散投資できれば、1つが上手くいかなくとも、ほかの銘柄で利益を生み出すことができます。

株式なのか債券なのか不動産なのか等の銘柄だけでなく、国内・国外など総合的に考えられるといいですね。また、さまざまな種類の資産を組み入れた「バランス型」を選ぶのもいいかもしれませんね。

3、余剰資金で行う

投資信託に限った話ではありませんが、長期投資は余剰資金で行うべきです。

と言うのも、投資信託含め長期投資は、一度投資した資金を長く運用することを目的としており、数年単位での取引が一般的だから。「今すぐお金が必要」という状況でも、タイムリーに現金化できません。

有事の際に対応し得るだけの資金は確保しつつ、余った資金で投資を行えるといいでしょう。

長期投資は投資信託がおすすめのまとめ

長期投資は、5年以上の長期間にわたって利益を狙う投資方法であり、短期投資と比較して、リスクを抑えた堅実な運用が可能となります。

しかし、長期投資にもさまざまな種類があり、専門知識や投資経験がないと、運用が難しいものも多いです。

投資信託は、プロに運用を任せられるほか、分散投資や少額投資が可能。そのため、投資初心者でも安心して資産運用できるため、おすすめと言えます。ただし、あくまで「投資」なので、損をする可能性がゼロとは言えません。

投資目的を明確にしたうえで、余剰資金で投資を始められるといいでしょう。

 

最新情報をチェックしよう!